サンフランシスコの夜は冷え込みが強く、ホームレスには防寒が必須となる土地だ。
そんな、多くのホームレスが十分な服を得ていない状況を何とかしようと立ちあがったのは、デザインを学ぶ22歳の学生ヴェロニカ・スコットさん。
彼女が開発したのは、日中はコート、夜は寝袋になるというまさに「ホームレスのための服」。
2WAYというだけではなく、気温に合わせて表面積を変えて温度調節も可能だという。
彼女はこの服をデザインする環境となった「クリエイティブ・スタディー」という授業で、今後も彼女のアイディアを活かした学生が生まれることを期待しているとコメント。
デトロイト出身の彼女は、経済的に厳しく治安の悪い中で育ってきた。
「故郷ではホームレスが3万人にまで増加しているとされていて、何とかしたい、助けてほしいという気持ちなんです」と語る。
開発したコートは、ホームレスの現状を知っている彼女ならではの着眼点。
ホームレス生活から脱却して自立することが最終目標ではあるが、まずは現状の改善が必要とされている。
たとえ自立支援団体に仕事を紹介されていても、冬の極寒のデトロイトでは昼間に外で眠っても死亡するおそれがあるという。
命を救い、昼間には温かいコートとして使えるもの、それこそがホームレスにとって画期的なアイテムの1つと言っても過言ではないだろう。
彼女はこのコートの広範囲での利用実現のために、現在多くのワークショップや実験を行っているという。
ホームレスの今後に期待したい。
ニュースソース
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2011/09/11/BAHR1L2HK8.DTL